米日用品・工業製品大手の3M(MMM)は2024年4月30日、
ヘルスケア事業のスピンオフ(分離独立)に伴い、
配当をストップすると発表しました。
同社はこれまで約60年間、毎年増配を続けてきた『配当貴族』
として知られていましたが、今回初めて減配に踏み切ることになります。
25年以上にわたって連続して配当金を増やし続けてきた企業
目次
歴史的な減配:背景と要因
同社は1962年から毎年増配を続けてきた『配当貴族』として知られ、
安定志向の投資家から高い人気を誇っていました。
しかし、ヘルスケア事業のスピンオフという大きな経営戦略の転換を機に、
この記録が途切れることとなりました。
減配の背景には、以下の要因が挙げられます。
ヘルスケア事業のスピンオフによる配当原資の減少
へルスケア事業は3M全体のフリーキャッシュフローの約30%を占めており、
スピンオフ後も安定的な配当を維持するためには、
残りの事業からのキャッシュフローだけでは十分ではないと判断されました。
近年続く業績低迷
同社は近年、中国経済の原則や原材料価格の高騰などの影響を受け、
業績が低迷していました。
株主還元策の見直し
同社は、配当だけでなく、株価買入や自社株消却などの積極的な
株主還元策も実施してきました。
しかし、業績の低迷もあり、今後はこれらの株主還元策も
見直ししていく可能性があります。
減配の影響:投資家への打撃と3Mの経営戦略への影響
同社の減配は、同社株を長期保有してきた投資家にとって大きな打撃となります。
特に、配当収入を重視していた投資家にとっては、大きな痛手となるはずです。
また、減配は投資家心理にも悪影響を及ぼし、3Mの株価下落に
つながる可能性があります。
一方、3Mにとっては、減配は短絡的には痛手となるものの、
長期的には以下のメリットをもたらす可能性があります。
・財務体質の強化
・将来への投資
・株主構成の変化
同社は今後、ヘルスケア事業のスピンオフを成功させ、
日用品事業や工業品事業の成長を軌道に乗せることが重要となります。
そのためには、以下の施策が求められます。
今後の3Mと教訓
今回の同社の減配は、私にとって以下の教訓を与えてくれました。
・企業業績は常に変化する
・配当は永遠ではない あくまで配当原資は収益
・長期的な視点で投資判断を行う
3Mのような老舗企業であっても、経営環境の変化に対応するために、
常に新しい戦略を模索していく必要があります。
私たち投資家もまた、企業の業績や経営をしっかりと分析し、
長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。
まとめ
今回の3Mの減配は同社にとって歴史的な転換点となる出来事であり、
投資家にとっても大きな影響を与えるものです。
3Mが今後どのような業績を上げていくのか、
そしてどのような株主還元策を実施していくのか注視していく
必要があります。
今年に入ってから私が株式を保有している企業では2社目の減配となりました。
1社目は日本企業のクミアイ化学です。
クミアイ化学も20年以上連続増配を継続していたのですが、
あっけなく減配となりました。
今回の3Mも『配当貴族』からの減配発表なので、まさかという感じですね。
最近の業績の悪さには憂慮すべきでした・・・。
私としてはステークホルダーとして、今後の業績回復に期待したいと思っております。
やはり個別株を選考する以上、避けて通れない道なのだと痛感します。
自分の頭でしっかり考え、納得して買ったので後悔はありませんが。
平時から、分散を徹底していきたいと思える事象でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。